今日はお金、賞金の話をします。
チェスってどのくらいの賞金出てるの?というのはすごく気になるところだと思うんですよね。
chess.comスタッフさんの記事にこういうものがありました。
【How Much Money Do World Chess Champions Make?】
世界選手権でどのくらい賞金出てたのよ?という記事です。
こちらをベースに日本人向けに書いていきたいと思います。
世界選手権と世界チャンピオン
まずチェスの世界選手権とは大体が、世界チャンピオンと挑戦者の2人で初めに決められた回数勝負をして、一回でも多く勝利をした方が新たな世界チャンピオンとなります。
挑戦者は予選を勝ち抜いた人が戦うので厳密には2人で争われるとは言わないかもしれませんがそういうもんです。
伝統的な勝負では24回勝負で勝利1ポイント、引き分け0.5ポイントとして12.5ポイント先取でチャンピオンになります。
12ポイント同士になった場合は、昔はチャンピオン防衛とされていましたが最近は延長戦で優劣がつくまで2回勝負が追加されます。
なぜ1回勝負追加ではないのかというと、チェスは先手の方が少しだけ勝ちやすいと言われているため、賞金の出る大会でその差はつらいということで一般的には平等に2回追加になります。
<div class=”concept-box1″><p>世界チャンピオン決定戦は通常2人で争われる</p></div>
チェスの世界は上位に手厚く下位に厳しい
世界のトップチェスプレーヤーはトーナメントゲームでお金を得られます。
2014年、チェス世界選手権に出場するマグヌス・カールセン氏とビスワナサン・アナンド氏は、チェスの賞金だけで過去2年間にそれぞれ100万ドル(約1億1000万円)以上を稼ぎました。
世界の他のトップグランドマスター稼いでいます。
賞金ランキング上位10人は、毎年最大合計50万ドル(約5500万円)のトーナメント賞金を獲得できています。
チェスのお金は常にトップに集中してきました。競争力のあるチェスの歴史を通して、世界選手権以外のトーナメントの賞金を小さくしました。
例えば、ファビアーノ・カルアナ氏は、2014年のシンクフィールドカップ(複数人で争われる人類史上最強のチェスのトーナメント)で優勝し、 9月に10万ドル(約1100万円)を獲得しました。
しかし、次の世界選手権の敗者は1勝せず全敗敗退したとしても5倍の50万ドル(約5500万円)の賞金を得られることになります。
世界選手権は常にチェスの王様であり、その勝者はそれに応じて報酬を受けています。
<div class=”concept-box1″><p>チェス界で世界選手権の賞金は別格</p></div>
世界選手権賞金額
1886年シュタイニッツvsツケルトート 800英ポンド
まず、制限時間制度が導入されて以来初の世界選手権
これは2人の賞金総額なので、1人分の賞金は勝者が70%だったり60%だったりもしくは折半だったりの場合もあります。
この賞金は折半らしいので50%の400ポンドが世界チャンピオン賞金ですね。
この400ポンドっていくらくらいの価値あったのよ?という当然の疑問がわいてきたので調べました。
当時の日本円で2000円くらいの賞金価値のようで、さらに当時の5銭が今の500円くらいの貨幣価値だと推定できるようなので現在の貨幣価値に換算して約2000万円ですね。
まあちょっと違うかもですが大体そんなもんだと思ってください。
1891年シュタイニッツvsグンスベルグ 3000ドル
今度は勝者が3分の2持って行ったそうなのでチャンピオン賞金2000ドルですね。
現在の貨幣価値に換算してみましょう。この頃は1ドル=1円だったようです。
なので2000円。一応当時の日本の物価を調べてみたところ大体先ほどの1886年と同じかちょっと上がったかだったようです。
なので現在の貨幣価値に換算して約2000万円。
1921年カパブランカvsラスカー 2万5000ドル
ここでは勝者のカパブランカは1万2000ドルしか受け取れなかった(勝者の方が敗者より賞金が少ない)と書いてありますね。何があったんでしょう。
現在の価値に直すと、調べてみたところ1ドル=2円の時代。つまり2万4000円。そして現在の貨幣価値に換算して大体9600万円。
1927年アレヒンvsカパブランカ 1万ドル
出演料2000ドルをカパブランカは受け取ったと書いていますが勝者アレヒンは8000ドル受け取ったと考えていいのでしょうか?
とりあえずそう仮定しておきましょう。つまりさっきと同じ計算をすると、現在の貨幣価値に換算して約6400万円。
1935年エイベvsアレヒン 1万ドル
今回は勝者総取りともとれる書き方がされていますね。
つまり、当時の1ドル=5円だったそうなので5万円、現在の貨幣価値に換算して約1憶4300万円くらい?
1966年ペトロシアンvsスパスキー 2000ドル
これはおそらく勝者総取りのようですね。
この時代1ドル=360円らしいので72万円。1968年の3万円が現在の13万8000円の価値との記述をネットで拾ったのでそれを信じて66年も68年も同じようなもんだと思って計算をします。
すると、現在の貨幣価値に換算して約324万円。
…結構減りましたな。
この時代、チェス世界チャンピオンは旧ソ連選手のたらいまわしとも言われていた時代だったので、なんというか悪い言い方するとマンネリ化でもしてたんでしょうかね?
頂点だけにたくさん支払わなくてもこの頃のソ連の国家をあげたチェスの英才教育は金が行き渡っていたのかもしれないです。
1972年フィッシャーvsスパスキー 25万ドル
WIKIとか見ると勝者は8分の3の15万6250ドルを手に入れたらしい。
この時代1ドル=300円くらいだそうなので4687万5000円。この時代の5万2700円が15万7000円くらいだそうなので、それを信じると現在の貨幣価値に換算して約1憶4000万円。
1978年カルポフvsコルチノイ 56万ドル
チャンピオンは35万ドル獲得したようなので、この時代の決着がついたころのドル円は1ドル180円くらいだったそうです。
なので6300万円。
この頃の10万5500円が大体現在の15万円の価値らしいので、それを信じると現在の貨幣価値に換算して約9000万円。
1990年カスパロフvsカルポフ 300万ドル
これは勝者が187万5000ドルだったそうなので、10月11月当時は1ドル=130円くらいだったので2憶4375万円。
この辺りから現在の貨幣価値に換算しようとすると逆にかけ離れたりする事態にもなりかねないような気もするので、詳しくは省きますが、まだ少し現在の価値にすると数字が上がるようなので約2憶5000万円としておきましょうかね。
1995年カスパロフvsアナンド 150万ドル
勝者は100万ドル獲得。当時10月は1ドル=100円という超計算しやすい為替だったようですね。
つまり約1億円。
2000年カスパロフvsクラムニク 200万ドル
勝者は133万ドル受け取り。当時は1ドル=107円だそうなので物価も考慮して約1憶5000万円。
これ以降はデータが残ってるのが多いからか情報が多いのですが、ここではあと2つだけ紹介。
2010年アナンドvsトパロフ 200万ユーロ
勝者は60%の120万ユーロ獲得。大体物価とかも考えると約1憶5000万円でした。
2013年はカールセンvsアナンド
勝者は165万ドル=約1億6000万円でした。
まとめ
最近は億超え賞金の世界選手権がスタンダードですが、昔はそうでもなかったようですね。
競技人口比でこれが安いと見る人もいれば、億超えてるなら高いと見る人もいます。あなたはどう思われたでしょうか?