チェス雑記エッセイ

チェスと将棋の違い(チェス勢視点)

チェスと将棋って似てますよね。でもチェスと将棋の違いってどこですか?と聞かれて「取った駒が使えるか使えないか」だよとしか答えられないのは、ちょっと面白くないですよね。

そんな声にお応えして、チェスと将棋の違いをチェスプレイヤー視点で書きたいと思います。

 

チェスと将棋の祖先は同じ

前に他の記事でも触れましたが、チェスと将棋はチャトランガと呼ばれるゲームを祖先に持つ言ってみれば従兄弟(いとこ)のような関係のゲームです。
似ているのは当然なんですね。

将棋チェスから見る東西文化の違いをまとめる 今回の話題は文化の違いです。似ていると言われる将棋とチェスから見る文化の違いを考えたので、エッセイとして書きたいと思います。ではよろし...

6世紀にチャトランガが誕生し、ゲームとして画期的だった部分は次の二つ。

1.それぞれ個性のある師団ユニット(駒)を戦略的に駆使して戦う点
2.どの師団がどれだけ存在していても王の運命一つで勝敗が決まる点

この2つの基本はおそらくこの先ルールが追加や変更をされても残ると思われます。
チャトランガは4つの師団という意味だそうで『歩兵師団』『騎兵師団』『戦象師団』『戦車(チャリオット戦闘馬車)師団』の4つで、駒としては他に『王』と『相談役(大臣、宰相とも)』合計6種の駒があったと言われています。

歩兵師団はのちにポーンや歩に、騎兵師団はナイトや桂馬に、戦象師団はビショップや角に、戦車師団はルークや飛車香車に、王はキングや玉に、そして相談役は進化してチェスではクイーンに将棋では銀や金などに変わったものと思われます。

 

ルールの比較

さて本題です。チェスと将棋の違うところで、まず挙げるとするなら取った駒が使えるかどうかという部分です。
ちなみに古い将棋は取った駒が使えなかったため昔の将棋はチェスのように取ったら盤上から除かれてそのまま使えなかったはずです。

他に違うと言えば盤の大きさと駒の数。
チェス盤は8×8で将棋盤は9×9のマス目数です。
駒の数はチェスが6種16個、将棋は8種20個。

他は詰み以外の勝敗のつけ方の存在です。
チェスにはありませんが、将棋には持将棋の宣言法の他、アマチュアにはトライルールなどもあります。
なお、制限時間に関する勝敗ルールは競技化での派生ルールなのでここでは考えません。

 

引き分けの扱いの違い

ご存じない方もいらっしゃるかと思いますが、実はチェスには引き分けがあり将棋には引き分けがありません。

これはルール上、チェスは引き分けになると0.5勝0.5敗が加算されますが、将棋ではなかったことになり先手後手を入れ替えて指し直しです。
ちなみにチェスの引き分け率はチェスAI視点で31%~40%、将棋の指し直し率は将棋AI視点で1%~3%くらいだそうです。

引き分け出現率の違いも大きいですね。

 

戦略の比較

基本的に将棋では先手でも後手でも似た戦法を駆使できます(例:先手でも後手でも穴熊にする等)。チェスでは序盤戦術は仕掛けと応手が大体ワンセットで先手でも後手でも同じ方法で仕掛ける、ということが普通出来ません。

あとは、将棋は守りと攻撃が分離されて考えていることが多いように思います。
双玉詰将棋問題など例外はありますが、連続王手で相手の玉が詰むならもう自分の玉は見る必要がありません。
しかしチェスは、盤の端っこから端っこに攻撃が通るので、両者に戦力が残っている限り常に逆王手がかかるリスクにさらされます。

 

複雑さの比較

ゲーム木と呼ばれるゲーム自体の複雑さは将棋の方が複雑です。
それは取った駒が使えることにより、ゲームが進むにつれて複雑さが増すからだと言われます。

しかしこれはあくまでも機械がプレイするときの複雑さであり、人間がプレイするならそんなに気にする要素ではありません。
例えば、持ち駒が打てるから複雑だと言っても、それは機械視点での話であって、駒を打って意味がないマスがあるかどうかで人間ならほとんど枝刈りできます。

一説にはチェスと将棋では人間から見て良さそうだと思える手の候補の数がほぼ同じだという話も聞いたことがあります。

 

先手の優位性の比較

ターン性ゲームには必ずといっていいほど先手が有利になります。
チェスや将棋でも似たようなもんです。

将棋チェスから見る東西文化の違いをまとめる 今回の話題は文化の違いです。似ていると言われる将棋とチェスから見る文化の違いを考えたので、エッセイとして書きたいと思います。ではよろし...

将棋チェスから見る東西文化の違いをまとめるにも書いたのですが、将棋の方に続報があります。

チェスの勝率はコンピュータ目線で先手勝率53.9%~54.6%です。
それはそうと最近の将棋AI目線だと、将棋は先手勝率57.5%~65.7%でかなり先手勝率が大きく出るようです。
dlshogiの先手勝率 – TadaoYamaokaの日記】

これほどブレて先手勝率が大きくでるのは研究が終わっていない部分が将棋は多いからなのではないでしょうか?
つまり伸びしろが大きそう(それはゲームとして正の伸びしろか負の伸びしろかはわからんけども)。

 

まとめ

将棋とチェスは従兄弟なので似ているのは当たり前。

【違い】
取った駒が使えるか使えないか
勝敗の決し方が複数あるかないか
引き分けがあるかないか
守りと攻撃が分離されていることが多いか一緒のことが多いか

くらい?似てる点を探す方が簡単そうに思えますがそういうことにしましょう。

ABOUT ME
くろーりん
チェスブロガー、くろーりん。 チェスのルールを知らなくても楽しい。 ルールを知ってるともっと楽しいブログを目指します。 チェス情報発信歴10年くらい。 チェスの強さはいまいちなので、雑学やTIPSなど「チェスって面白い」と思っていただけるブログ制作を心がけます。 (当ブログはリンクフリーです) Vtuberとしてyoutubeで配信もしているので、ここの下のyoutubeアイコンからぜひお越しください。

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