チェス雑学トリビア集

チェスにおけるキングは強い駒?弱い駒?

今回の話題はキングです。
チェスでのキングって強さの上ではどういう立ち位置なの?というお話をチェスのルールが分からなくても読める文で書いていきたいと思います。

つまり、ここに書いてあることは中級者以上になると常識的なことであって、初心者さんやチェスをよく知らない人向けの記事になります。
ではよろしくお願いします。

 

チェスでは駒の戦力的価値を数値化した常識がある

難しそうな題から始まりましたが、『それは勝つためにどのくらい重要な駒なのよ』という数値をチェスの強者たちが大まかに割り振って、それが常識化しているということです。

チェスには、ポーン、ナイト、ビショップ、ルーク、クイーン、キングという6種類の駒があり、それぞれポーン1ポイントを基準にナイトとビショップは3ポイント、ルーク5ポイント、クイーン9ポイントと強い駒ほど勝利へ繋がる駒であり価値が高い駒とされています。

 ポーン  ナイト ビショップ ルーク  クイーン
13359
チェスの駒の数値化された価値

ちなみにこれは大まかであって局面が変われば数値はコロコロ変わります。
例えばポーンという駒は一マスづつ前に進む駒ですが、一番奥のマスにまで到達すると、すごく強いクイーンに昇格することができます。
つまり昇格できそうな一歩手前のポーンは価値が高く、一般的には5ポイントに跳ね上がります。

しかし、この勝利へつながる価値基準ではキングは数値化できません。
なぜならキングは打ち取られる事は負けを意味し、取り返しのつかない駒とされているためです。あえて言うなら価値∞ポイントとしているところもあります。

しかしですよ。価値ではキングをはかることができなくても、戦闘能力でははかれるはずです。
勝利に対してどのくらい貢献している駒なのかというのは大まかには分かるはずだからです。

その前に前提のお話を少し。

駒の戦力値は同じものでも現在のフェーズによって変化する

チェスには戦略的段階として、序盤フェーズ、中盤フェーズ、終盤フェーズがあります。

ゲームが始まってから駒を良い戦闘配置につけるのを狙うところまでを序盤フェーズ
駒を戦闘配置につけてからキングの安全性と戦力とその戦力の機動性3つの確保してあわよくばチェックメイトを狙う中盤フェーズ
戦力が減ってチェックメイトの脅威が少なくなって戦略目標をチェックメイトからポーンの昇格に変える終盤フェーズ

キングの安全性は一番にたもたれるべき部分なので、チェックメイトが狙われる中盤戦まではキングは戦力外通告が普通言い渡されます。
しかし、チェックメイトの脅威が少なくなった時まで閉じこもっていると勝てるものも勝てないのです。

 

キングの戦力にまつわるチェスマスターの名言

The King is a fighting piece. Use it!

by Wilhelm Steinitz

和訳:キングは戦う駒だ。使え! by ヴィルヘルム・シュタイニッツ

In the middlegame, the King is a mere ‘super’, in the endgame on the other hand – on of the ‘principals’. We must, therefore, develop him, bring him nearer to the fighting line.

by Aaron Nimzowitsch

和訳:中盤戦ではキングは単なる「端役」だが、終盤戦では「主役」になる。 したがって私たちは彼を成長させ、彼を戦線に近づけなければならない。 by アロン・ニムゾヴィッチ

 

結局のところのキング戦力値

さて、キングは終盤戦における戦力として重要だと言いたかったのですが、結局どのくらい強いのよ?と思われたかもしれません。
2020年現在では多くの人が、ポーン1個を戦力1ポイントとすると、キングの戦力は4ポイントだとしています。

駒としての能力はナイトやビショップよりも強く、ルークやクイーンより弱いとされています。
詳しく言うと、終盤戦で残りがちなポーンという駒からの防御力がナイトより強く、攻撃力がビショップより強いと言われています。

どういうことかというと、ポーンの昇格を目指すならキングは他より都合のいい駒だということです。
終盤戦にもってこいの駒みたいですね。

ただし、キングは勝負がついていない限り必ず盤上に両者残っている駒であって、あるかどうかという戦力の数え方でなく、使えているかどうかという部分で戦力に数えることになると思います。

したがって、キングを戦力に数えることは難しい部分も多いです。

 

キングの攻撃力まとめ

  1. 駒単体ではキングは全ての駒のちょうど中間くらいの強さ。
  2. ゲーム展開次第ではゲームが終わるまでキングは戦力外レベルの弱さ。
  3. 最後の最後に勝敗を分ける駒(ポーン)と攻守ともに相性が良い。

個人的なチェスブロガーとしての見解ですが、キングがうまく使える人は強いです。
逆にキングを使えない駒だとか弱い駒と言ってる人は、まだまだ未熟に見えますし、実際にそういってる人で強い人を見たことないですし。

キングをうまく使えるかのような空気を皆さんも出していって強キャラ感を出していきましょう。
ではまた次回。

ABOUT ME
くろーりん
チェスブロガー、くろーりん。 チェスのルールを知らなくても楽しい。 ルールを知ってるともっと楽しいブログを目指します。 チェス情報発信歴10年くらい。 チェスの強さはいまいちなので、雑学やTIPSなど「チェスって面白い」と思っていただけるブログ制作を心がけます。 (当ブログはリンクフリーです) Vtuberとしてyoutubeで配信もしているので、ここの下のyoutubeアイコンからぜひお越しください。

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